届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「ミュウから、何か連絡あったかなって…。」
誤魔化すのがやっと。
「相変わらず。」
ため息混じりに言う。
「そっか。でも、亮太が手がかりを持ってきてくれるから。もしかしたら、ひょっこり帰ってくるかもしれないじゃん?」
「そうだよな。アイツに限って、何かあるはずないよな。」
悲しい顔をしながら笑った。
「ほら、ミュウもうすぐ誕生日でしょ?何も言ってくれないから、スネてるだけかもよ?」
「そうだ。アイツ誕生日だ。」
「やっぱり忘れていた。メールしてみれば?」
「ああ。」
すぐに携帯を手に取りメールした。
でも、返信は来ない。
切なそうな顔を浮かべている尚吾に、かける言葉が見つからない
気休めの言葉なんて、本当に落ちている時程いらないのは、自分が一番よく分かっている。
無力な自分。
ただ側に居るしかできない。
重くなりかけた沈黙が部屋中を包み込もうとしていた。
「尚吾ぉ~ん。」
丘芹の元気な声で、いつもの4人が入って来た。
尚吾の顔に、少しだけ明るさが出た。
みんなに心配させたくないって、元気を装っているのが伝わってくる。
だけど、それでも気が紛れるなら良かった。
昨日の女がよかったとか、どこ何処に激ウマな定食屋が出来たとか。
くだらない話をして、バカみたいに笑って。
それでまた1日が過ぎていく。
その帰り道だった。
目の前数メートル。
どこかで見覚えのある男が、キレイな女の人と楽しそうに歩いている。
思わずポケットから携帯を取り出した。