届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「綾瀬こそ、彼氏いないのか?」
「いないって、前に言ったじゃん。」
「そうだったな。遊び歩いているから、てっきり彼氏でも出来たかと思った。」
やっぱり、男遊びしているって勘違いしているんだ。
朝の海翔の言葉もあったし。
聞きたいことはあるけど。
これ以上、何かを聞かれたくなくて。
「ってかさぁ、海翔のそのピンクの紙袋って何?」
話をはぐらかした。
だって海翔に不釣合いな、大きなピンクの紙袋。
「施設の子へのプレゼントだよ。」
「ふ〜ん…施設の子に、プレゼントなんかするんだ。」
「あぁ、たまにな。」
意外。
施設の子にまで世話を焼いているなんて。
…ホント、お人よしって言うの?
面倒見がいいだけ?
ボランティアが好きなのかな?
…あたしの事も。
ボランティアなのかな?
灰色のモヤは、一瞬トゲをむき出して。
チクリと心をかすった。
自分でも分からない痛みを知られたくなくて。
「お腹すいた。」
ソファに座るなり、おもいっきりにらみながら海翔を見た。
「オムライスが旨い所が近所にあるんだけど…行くか?」
やっと、ため息交じりだったけど。
優しい微笑みを向けてくれた。
その笑った顔のせい?
「うん。行く!!」
あたしの気持ちまで落ち着いてしまった。