届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「生意気で、ごめんなさいは?」

海翔は悔しそうに、歯を食いしばりながら言うと、何食わぬ顔して隣に座る。

「やっ…やっ…ダメっ!!」

手加減なんかせず突然くすぐりだす海翔。

笑いながら転げ回り、言葉にならない。

「ごめんなさいは?」

「わっ…分かったよ…ごめ…ごめん…。」

目には笑いすぎの涙が出ている。

「よしっ!!今日の所は許してやる。」

優越感に浸っている顔をした。

「もぉ〜。なんなの海翔は。」

涙を拭きながら、ゼェゼェと息を切らし、笑いながらバシバシと海翔の腕を叩く。

「今夜だけだからな。」

クスっと笑うと、自分のベッドに横になった。

その姿を後ろ背に、ニコッと小さく笑うとベッドに潜り込んだ。

「あんまり、くっつくなよ。」

「しようがないでしょ。ベッドが狭いんだから。」

ピタッと、海翔の背中に寄り添った。

海翔の体温が、伝わってくる。

ピッタリとくっつけた両手から。

だって…

このままくっつけない。

海翔の温かい背中に。

だって…だって…

霧生くん。

霧生くんも怒るとくすぐって。

笑い転げて。

涙で顔がグチャグチャになっちゃって。

一緒に寝られたベッドは。

やっぱりせまくて。

こうやってくっついた。

このまま海翔の背中に顔を当てたら。

こぼれ落ちてきた涙で、服が濡れちゃうから。

だから、これ以上はくっつけない。

必死に声を殺して。

心を落ち着かせるように、ゆっくり眠りについてゆく。

「寝顔は、かわいいのにな。」

ポツリとつぶやいた海翔の声が、かすかにあたしの耳に聞こえた。

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