届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

あたしまで体が震えて。

ギュッとお兄ちゃんにしがみついた。

お願い!!

助かって!!

強く心の中で叫んだのに。

「残念ですが…。」

その言葉と共に、医師が頭を下げた。

「そんな…。」

ガタッとお母さんが泣き崩れて。

それを弟が抱きとめた。

「詳しくはこちらで。」

医師に連れられて。

亀井くんのお父さんが後をついて行って。

泣き崩れたお母さんを抱きかかえながら。

亀井くんの弟もその後をついて行った。

あたしはその場から動けなかった。
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