届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「今朝、先輩と同じクラスの人が話してた。」

ワッと一気に泣き崩れた姿に。

冗談なんかじゃないって分かって。

しっかりと絢音の体を支えた。

「…だって、昨日の放課後…元気だったじゃん?」

普通にプレゼント受け取って。

まあ、あたしはそこまでしか知らないけど。

昨日の放課後に見た、元気な先輩の笑顔が頭から離れない。

「だから…だから…」

言葉にしたくても。

嗚咽で言葉が出ないんだ。

ギュッと絢音を抱きしめるしかできなくて。

パッと、頭の中に蘇った。

昨日の夜のサイレンの音。

あれ…先輩が運ばれてきたんだ。

あたし…何も気づかなくて。

何やってるんだろう?

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