しずく
4 結
キャンプ場のでの最初の作業は、お昼ごはんを作ること。

このキャンプは班別行動だから、すみかとは離れてしまった。

メニューはパスタ。
わき水を鍋にくみにいく。
自然のわき水は本当に透明で、冷たくて・・・
思わずそのまんま手ですくって飲んじゃった。
喉をうるわす自然の味。おいしい。

「あー何一人でやってんだよー。しかも一人で微笑んでるし。」

ぎくっとして振り替えると中浜の姿。
野菜を洗いに来たみたい。
「自然が好きなのー。微笑んでないし。」
かるくあっかんべ。
「ふーん。でも俺がこういう自然を一人で感じちゃうと微笑んじゃうけどなー。」

・・・あら。意外な一言。
憎まれ口っぽいの叩いた自分に何となく自己嫌悪。

「中浜も自然好き?」
「うん、何よりも大好き。落ち着くじゃん。だから水くみ代わって!」
「えー」
「いーからいーから!」

結局あたしは野菜を洗わされて、
その場を去った。
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