新撰組のヒミツ 弐
「お前らほんと仲いいよな」
「そうですか?」
しみじみといった感じの原田に、山崎がすっとぼけたような顔をして首を傾げた。傍らの光はというと、何故「はい」と一言言わないのか、と密かに無表情の下でむっとしていた。
「ああ。俺はてっきりお前たちが──ぐっ!」
悪い笑みを浮かべていた原田が突如苦悶の声を上げる。彼の後ろには無表情の斎藤が拳を握って立ちはだかっていた。
「な、なんだよ。痛えじゃねえか」
「……その口を押さえておけ、左之助」
原田は冷淡な斎藤に恐れをなしたらしく、吉村同様、口を閉ざした。
(本当に賑やかな人たちだな)
そうこうしていると、ようやく参拝の順番が回ってきた。それぞれ賽銭をいれ、作法に則ってお願い事をする。
光は無難に健康祈願をお願いしたのだが、皆、一様に真剣な顔で長い間手を合わせていた。
「明けましておめでとう」
隣に立つ山崎が光にだけ聞こえるように言った。
「うん。明けましておめでとう。今年もよろしく」
真面目に新年の挨拶をするのが少し気恥ずかしい気もしたが、大切なことなので心を込めて言う。
去年は辛いこともあったが、兄弟子と再会を果たし、自分の生きていく場所を得た。今年はどんな一年になるのだろうか、と期待に笑顔が溢れた。
「よし、次は正月の醍醐味! おみくじ引こうぜ」
「おみくじ! ぜひやりましょう」
早速原田と安藤が騒ぎ始めた。せっかくの正月だ、楽しそうで何よりである。光たちも苦笑して彼らに続いた。
「お願いします大吉大吉大吉……」
呪文を唱える吉村は放っておき、光も金を入れておみくじを引く。僅かばかり緊張しながら白い紙を開いた。
中を見た光は今年初の驚きの表情を見せた。
「そうですか?」
しみじみといった感じの原田に、山崎がすっとぼけたような顔をして首を傾げた。傍らの光はというと、何故「はい」と一言言わないのか、と密かに無表情の下でむっとしていた。
「ああ。俺はてっきりお前たちが──ぐっ!」
悪い笑みを浮かべていた原田が突如苦悶の声を上げる。彼の後ろには無表情の斎藤が拳を握って立ちはだかっていた。
「な、なんだよ。痛えじゃねえか」
「……その口を押さえておけ、左之助」
原田は冷淡な斎藤に恐れをなしたらしく、吉村同様、口を閉ざした。
(本当に賑やかな人たちだな)
そうこうしていると、ようやく参拝の順番が回ってきた。それぞれ賽銭をいれ、作法に則ってお願い事をする。
光は無難に健康祈願をお願いしたのだが、皆、一様に真剣な顔で長い間手を合わせていた。
「明けましておめでとう」
隣に立つ山崎が光にだけ聞こえるように言った。
「うん。明けましておめでとう。今年もよろしく」
真面目に新年の挨拶をするのが少し気恥ずかしい気もしたが、大切なことなので心を込めて言う。
去年は辛いこともあったが、兄弟子と再会を果たし、自分の生きていく場所を得た。今年はどんな一年になるのだろうか、と期待に笑顔が溢れた。
「よし、次は正月の醍醐味! おみくじ引こうぜ」
「おみくじ! ぜひやりましょう」
早速原田と安藤が騒ぎ始めた。せっかくの正月だ、楽しそうで何よりである。光たちも苦笑して彼らに続いた。
「お願いします大吉大吉大吉……」
呪文を唱える吉村は放っておき、光も金を入れておみくじを引く。僅かばかり緊張しながら白い紙を開いた。
中を見た光は今年初の驚きの表情を見せた。