恋愛初心者な私
ー1話「幼なじみ」前編ー
私は恋愛初心者だ。


男の子の事がよくわからない。


クラスのほぼ全員が彼氏を一度はつくった事がある。



だから恋愛話になるとウソをついて
会話から外れて屋上へ行く。


「はぁ。恋愛なんて全然分かんないなぁ・・・」


いつもここで独り言を言っていると必ず来る人がいる。

「水咲~~~!!」


私はこの声が聞けるだけでも安心する人。それは・・・


「もぅ。またこんな所にいたの?」

彼女は琴音。私の親友でロングヘヤーが印象的だ。


「なに。また抜け出してきたの?」


「うん。やっぱり恋愛は無理だよ。」



「何言ってんの!?今は夏だよ!夏!」


「だからなんなの?」


「もぉーーー。夏といえば屋台に花火に恋愛でしょ!恋愛!」



「何でそこに恋愛が入ってくるわけ?」


「決まってるでしょ!花火を見ながら突然の告白。okした
彼女は抱きしめ合い・・・いやー。これ以上したら
妄想止まんな~い!」


「ごめん。やっぱ着いていけない。」



「それはそうだと。前から聞きたかったんだけどさ
水咲って好きな人いるの?」


(ドキッ・・・)


「い、いるわけないじゃん。」


「だよね~~。あっ次、移動教室だから先行くね~~」


「は~い。」



「あっ、言い忘れてたんだけど
水咲と私と臼井くんとその臼井くんの友達と
祭り行く約束したからね~~。」


「は~いっ!?」


「ちょっと勝手にしないでよそんな約束!
気まずくなるじゃん!」


「いいじゃん。水咲の幼なじみでしょ。臼井くん。」


「だからだよ!!」



「ただでさえ臼井は苦手なのに・・・」



「まぁ、いいじゃん。この機会に仲良くなれば?」


「ちょっ、ちょっとーー!!」



(バタンッ)


「もぅ。琴音の琴音の琴音のバカァァァァァァァァァァァ!!」


ついつい叫んでしまった。でも今は叫んでも良い理由だ。


「はぁ。最悪だ。臼井は臼井は私の・・・」


「私の何?」

ーー第1話「幼なじみ」前編ーー

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