夢の跡~はかなく消えて~
他店の女の子が
お客を引き止めたいばかりに、あることないことを風潮する……やっかみから良からぬ話を耳にして居たのかもしれない。
だが、
【火の無いところに煙はたたない】
ここは譲れない部分だ。
何の根拠も無く
噂は独り歩きはしない…。
根本的な事実に尾ひれが付き、砂鉄の様にザワザワと中心に集まるのだ。
結果、
本人も周りも困惑してしまう。
この話しもその1つなのかも知れない……。
「まい」は、
実に男心をくすぐる存在だ。
何人もの男性が、
本気の告白をするのだ……。だが、「まい」は、店内に来たお客には一切見向きもしない。
唯一、
友達の紹介で会った同い年の男の子とメールをしたり、たまに食事や映画を観に行く程度だ。
【凄く、楽な男友達なんだぁ…お店の夜の「まい」じゃなく、普通に私を見てくれるんだ】と嬉しそうに話して居た。
そんなある日、
「まい」が浮かない顔で店に出て来た。
『どうして、友達で居れないのかなぁ…アタシ、知らない内に彼女に成ってるの!アイツの友達皆に彼女だ!って言ってるの! もう…やっちゃった…とかさぁ……ひどいよ』
「まい」にとっては、只の気楽な友達に過ぎなかったが、相手の男性にとってはこの上ない瞬間だったに違いない。
男の見栄なのか、
抱いても居ない女性を
抱いたと話す……。
その後、
何度も「まい」の携帯には、謝りのメールが入り着信も一色に染めたが……
「まい」は、
番号もアドレスも替えた。
と言うよりも、
機種ごと替えてしまったのだ。
だが、
この事が色々尾ひれが付き、砂鉄の様にザワザワと集まり、
……冷たい女……
……自分が一番……
……自己満足女……
……セックス以外興味無し……
……ヤリ逃げ女……
と、ま~色々叩かれたのは側に居る真紀も忘れはしない。
【ヤリ逃げ女】なんて 有り得ない!
そんな光景を「まい」と二人で討論したが、
余りにも馬鹿げて
二人お腹を抱え笑い合った。
『……どんな、状況で終らす訳?』
『下着は、素早く着けて出て来るのかなぁ?』
『なんて、捨て台詞を言っちゃうのかなぁ?』
『…。』
『『良かったよ、
じゃ!!!』』
ぶっ!!ハハハ……。ハハハ……。
実に、愉快だ。