涙が途絶える日まで
『電車来てる!』

「うわっ!混んでるし!」

『次にし・・・』

「乗るぞっ」

・・・まじすか。

ぎゅう~

私のスペースせまい・・・。

少しやせといてよかった。

『・・・った。』

うしろのおじさんに足ふまれたぁ。

普通に痛いし。

「大丈夫?」

『あ、うん。平気。』

なんだ。優しいじゃん。

私を隅っこにして

自分が壁になるように動いてくれた。

でも・・・

腕が顔の横にあって邪魔ってゆうか・・・。汗

「胡蝶~胡蝶~」

あ、降りる駅だ。

「いいか?降りる人多いから

 ダッシュでその群れを切り抜ける。」


『わかった。』

「ついてこいよ?」

きゅうん

『うん。』

さりげなく少し力を込めて

緊張したみたいに

手を握ってきた。

恥ずかしい。初めてだから

手汗かいちゃうかも・・・。

「はしれっ!」


『はいっ!』


あはははははー

風があたってさわやかですなぁ

じゃない!!!!!!!

早すぎ!ってかきつい!

体力もたないよー。

「お疲れ!混む前に出れてよかったな♪」

『はぁ・・・。はぁ・・・。

 う・・・ん。 そ・・だねっふぅ。』

やばいこの体力の差。

運動不足バレバレ~泣

「ごめん!俺に合わせて・・。きつかったよね?
 
 男と女じゃぜんぜんちげーのに。大丈夫?」

不安げにこっちをみる。

本当にただの運動不足だから

そこまで気にされるのも恥ずかしい///

『い・・やっ。は・・・っ・・だい、じょ、ぶ。』

まだ息切れしてるし~!

「ふはっ。 ゆっくりいこっか?」

『ん・・・。』

もう一度手を優しく握り返して

映画館に向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・

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