涙が途絶える日まで

私と絵玲奈が待ち合わせ場所に向かうと

そこではもうすでに2人が待っていた。

「おっいるじゃん。」

『遅れちゃった?』

來弥と付き合って、こんなに好きになってから

本当に少しの時間でも大切にするようになった。

だって、この日この時この場所で、

全く同じことが起こることなんて一生ない。

そう考えたら、自然と大事にできるようになった。

「ううん。私たちも5分早いよ。」

『よかった。』

「楽しみ過ぎたんだね。」

『ははっ会うだけなのにー?』

「…え?」

『來弥っ!』

たたたっ

若干駆け足で來弥に近づく。

『待ったよね?』

「んー。待った。なんかしてよ?」

え…?

こんなSでしたこの子?!

「遅れたんだもん。しょうがないよ留美。」

「そだね。來弥かなり待ったよ。」

『2人とも來弥の味方~?(泣)』

「留美、3回まわってわん。がいいな?」
なにそれ…

こんな公共の場でそんな恥ずかしいことできるかっ!

『む、無理~っっ!』

「えー。じゃ俺こっから動かねぇよ」

『なっ!…わかったやるよぉ。』

ちくしょう。このずる賢い子猿めっ!

「わーいっ」

ふはっと笑う來弥。

この笑顔見るとどうしても許しちゃうんです。
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