夏恋迷路◆だから僕らは夢を見た【短編集】


「好きだよ。...あ、もう死んじゃったから好きだったよ、か。でもさ、もし俺が死んで君の元へと行けたら、そのときは笑って俺を迎えてね。


......じゃあ、これで来年のお盆までさよならだね。そっちでも元気で。

また、来年もここに来るから。そのときは花を持ってくるね。


それじゃ、また来年会おうね。...バイバイ」


俺はそう言った後、溢れる涙を服の袖で拭いながら元来た道へと戻っていった。



そのとき、気のせいかもしれないけど......暖かい風が俺を包み込んだんだ。


*伝えたかった少年の話*
< 10 / 146 >

この作品をシェア

pagetop