夏恋迷路◆だから僕らは夢を見た【短編集】
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「だけど、今日は49日。ばあちゃんはもうあの世に行かなきゃ行けない」
そう言いながらおばあちゃんは私から離れていく。
本当はおばあちゃんを困らせたくない。笑って、あの世にいってほしい。
でも私は、自分の気持ちを抑えることは出来なかった。
「嫌だよ、おばあちゃん。私、もっとおばあちゃんと話したかった。遊びたかった」
「夏葉、ごめんね。だけど良く聞いて」
おばあちゃんは真剣な顔をして私の手を握る。
そして、私に言い聞かせるような口調で言った。
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