夏恋迷路◆だから僕らは夢を見た【短編集】
「もう、そんなにびっしょり汗をかいて。一体どんな夢を見ていたの」
夢?あぁ、僕が自殺しようとしたことか。
でもおかしいな。僕は確かにあの線路に行って、電車に跳ねられた感覚があるのに。
あれが夢だというのなら、僕はまだ生きているということになる。
僕は変だ。あれだけ死に憧れたのに、夢でほっとしている自分がいる。
でも、まぁいっか。僕はまだ生きているんだ。
やっぱり死ぬときは綺麗に死にたいし。
この生きている間に、綺麗に死ぬ方法を探してみようかな。
*死に憧れた少年の話*