夏恋迷路◆だから僕らは夢を見た【短編集】
天使(自称)が俺の顔を見て笑った。
きっと俺はよっぽど間抜けな顔をしているのだろう。自分でも分かるぐらいに。
でもさ、しょうがないだろ?
いきなり目の前に現れて、「願いを叶える」だの「俺は天使」だの「成仏させる」だの言われて。
はい、そうですか。よろしくお願いします。
なんて簡単に言えるわけないだろ!
「いつまで間抜けな顔をしているんだ。願いを叶えてやるんだぞ。感謝しろ!」
「いやいや、いきなり言われても信じられるわけない。証拠を見せろ」
「この羽。ちゃんと飛べるんだぞ」