夏恋迷路◆だから僕らは夢を見た【短編集】
あぁ何か俺が描いていたものと違うな、なんて頭の片隅で思いながらも口では告白の言葉を紡ごうとしていた。
「言い忘れたことって何なの?それを私に言えば消えちゃうの?」
告白するときは、もっと緊張すると思ってた。
だけど俺が死んでるからかな?不思議と緊張は無かった。
「消えちゃうっていうか、成仏...かな。それが、天使とした約束だから」
俺はそのまま一呼吸をして、ずっと言えなかった言葉を言う。
「好きだ。なかなか言えなかったけど。もう死んだけど。ずっと好きだ」