しろくろ
「大丈夫。
貴方の故郷は絶対に私達が守るから
心配しなくてもいいんだよ」


そういって楓はルクスに微笑みかけた

「は、はい!そうですね
ありがとうございます
楓さんって優しいですね」

「え!?そ、そんなことないよっ
フツーだよ、フツー」


「いやいや、そんなに謙遜しなくてもいいんですよ
可愛いし、優しいし楓さんは凄く魅力的な人ですよ」

「ほんと?何だか凄く嬉しい
ありがとう、ルクス君」


…ウゼ――――


今のは笑顔でお礼する所じゃなくて、否定するとこだろ!!!と、心の中で思う


つ―か、あの糞ガキ今のは殆んど告白だろ

ってか顔赤くしてんじゃね―ぞ
コノヤロ―――





楓は普段あまり触れることの出来ない自然の中で寝るのが嬉しくてご機嫌だが、煉邪の機嫌は最悪だった

その原因は今まさに起きていたこと


そう、一番の理由はルクスだ


彼は楓が笑顔を向けると顏を真っ赤にして喋る
明らかに楓に好意をもっているが、超がつくほど鈍感な彼女がそれに気付くはずもない

最初はそんな様子をいい気味だと思っていたが、流石にそんなモノを三日連続で見せられたら苛ついてくるに決まっている

しかしルクスと楓が全く会話をしない、というのはこの現状では無理に等しい


こんな任務村に着いたらソッコーで終わらせてやる!!


煉邪は一人そう誓った
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