しろくろ
「……で、
多分氷の野郎が言ってた【御主人様】っつ―のが今回の標的の人間だな」

煉耶が付け足した

「川が凍ったってことは力は【氷】だね」

「いゃあの氷は妙に自信まんまんだったからな
力を2つ以上手に入れたってことも考えられる」

楓と煉耶は話し合いを始めたがルクスはずっと黙りこんだままだ

「ルクスくん??
どうかした?」



「………。
そんな大変な事態だったなんて…
しかもあの男は神の力も手に入れてるんでしょ!?

…そんなの…勝てるわけなぃじゃないですか!!!」


ルクスはついに泣き出した
今までずっと大丈夫と、自分を励ましてきたがそんな話を聞いてはもはや限界だった


子供らしい泣き声をわんわんあげた
大人っぽく振る舞っても14歳の子供には違いない
神の代理人として生まれ、それなりの覚悟をもつ二人とは違い、ルクスはただの子どもだ。


大好きな親や友達、村を壊されても、復讐と勇んでみても、敵と闘うのは恐ろしい。それは曲げることの出来ない事実。
ルクスの胸の中は恐れ、不安、悲しみ、苦しみ、恐怖、尽きることのない負の感情が渦巻いていた。
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