しろくろ

「いいか。
標的はもぅすでに神の力を手に入れている
これ以上力を手にする前に速攻でつぶす!!」

煉耶は眉間にシワを寄せ“仕事”のモードに入る。その様子をみて、楓は煉耶を視界から外した

「村まではもうほとんど距離もありません。
直ぐにでも行けますよ。」

「…じゃあ決行は今夜
一気に突っ込むぞ」

「わかりました!!」


「………」

楓の様子が何時もと違う
いつもの明るさがなく今にも泣き出しそうな表情だ。

「 ? 楓さん、どうかしましたか?」

「…ぁ 何でもないょ
ごめん ちょっと顔洗ってくる」


楓は立ち上がり川に向かう。しかし、目は会わせず表情も固い。


「ぇっ ちょ 楓さん…」
「止めとけ」

楓に向かって伸ばそうとしたルクスの手を、煉耶がはらった

「な 何でですか煉耶さん!!」

「…あいつはそうぃう奴だ
ほっとけ」

冷たい煉耶の言葉に、ルクスの胸中は穏やかでない。しかし、争ったところで勝てる訳がないことを、知っているので手は出せない。

「で でも…!!!」
「お前に慰められても傷つくだけだ」

「 … はぃ……」