しろくろ
会話が無いのも何時ものこと。目を合わせないのも何時ものこと。

初めてわたしが逃げて隠れた時、無理矢理顔を振り向かせて目を合わせた時は思わず泣いちゃって。それ以来、絶対に連チャンはわたしを無理矢理振り向かせたりしない。

「…ねぇ煉チャン
もしも明日の任務決行で私が死んじゃったらどうする?」



「……しらね」


いつも私の問いにいつもの煉チャンの答え
初めての時はさすがに怒ったが今ではその答えも煉チャンだからと思える。それに前に他の人が同じような質問をしたら

「線香位はあげてやる」
と答えていたのだ

そんな縁起でもないことを言わないだけいいんだと思う



それからは任務の前には必ずこの質問をするようになった
つい何度も聞いてしまうのだ

「煉チャン指切りしよう!」

そお言うと何も言わず煉チャンは小指を差し出してくれる
これも恒例の行事だ



「ゆ―びきりげんまんう―そついたら針千本の―ますっ 指きった!!」



そして私は立ち上がる
不思議とこれをやると胸が軽くなる
任務も大丈夫そぅな気がしてくる


煉チャンとの約束は…
無事に戻ってくること!!


私はまだまだ弱虫で、役たたずで、煉チャンにいつも背中を眺めてるだけ
でもいつか一人前になって背中を眺めるんじゃなくて背中を任せて貰えるように

まずは明日の任務を頑張ろう!

毎回そう思っているが今度こそはと期待を込めて立ち上がる

大丈夫!
いける!!

「よし いくぞ。」


「うんっ!!!!」


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