しろくろ
ドクドクと血の流れる音だけが部屋に溢れる

おかしい!


この男は少なくとも1つは神の力を所持しているはずだ
そして氷の野郎よりも強いはずだ
そんな男が不意を突かれたとはいえたった一撃で呆気なく殺られるだろうか…

ガタッ

「誰だ!!」


「…煉チャン?」

「楓か?」

「良かった―!
もうファリスは倒したんだね!」

「…あぁ」

「スゴい!さすが煉チャン!!」


ゴスッ


鈍い音が響く
煉耶の蹴りが直撃した楓は床に崩れ落ちた

「…な なん で
煉チャン 何で …?」

煉耶は冷たくその姿を見下す

「…どうして
私が偽物だってわかったの!?」

「――馬鹿らしい
お前見たいな奴がアイツに化けんのなんか無理なんだよ
アイツは標的を倒して喜ぶような図太い精神してないんだよ」

それを聞いて楓の形をしていた物はにっこりと笑い水に戻った

「いや―
神の代理人達がそんなに相手の事を知っているとは思わなかったよ」

後ろで血を流して瀕死状態だったはずのファリスが話かける

「…お前はオレ達が神の代理人だと知ってたのか」

「あぁ 前に君は楓さんの形をした氷の彫刻と戦っただろう
その氷の彫刻は君達の情報はすべて私に教えてくれるように作ってあったからね
氷雨 煉耶くん」

振り向くと先ほどまで床に倒れていたはずのファリスが立っている
血は止まり傷跡も全くない

「オレがさっき倒したのは偽物か」

「さすが宗家跡取りは察しがいい。…だが私の計画には邪魔なんでね
君達には死んでもらうよ」


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