しろくろ
ドカッ ガッ
部屋には鈍い音だけが響きわたる

煉耶の刀をファリスは鎖で受け止める
やはり神の力を手に入れたファリスは手強く煉耶の表現もいつになく険しい

しかしファリスはまるで闘いを楽しむようににやけている

その姿をみた煉耶は

「なぜお前は
神の力に手をのばす!!」

と、問いつめるように叫ぶ

「フッ アハハハ
神の代理人ともあろうものが私に情をかけるのか!?」

「………」

「いいだろう教えてやる
な―に簡単な事だ

人間は欲望にまみれた生き物だ。
命持って生まれ、衣食住を渡され、地位と名誉を手にいれてもまだ満足できない。
まだ先の、もっと巨大な何かを手に入れたがる

そしてたどり着いた究極の力

それが神の力だ!!

いくらお前達神の代理人に邪魔されようが人間は神の力を欲し続ける!!!
それが人間だ!!!!!」

「…そうか
ならお前は殺しても楓に言い訳出来そうだ」
バサッと黒のロングコートをはらい正面で刀を構える

その姿にファリスは急いで構えようとするがそれよりも煉耶の方が早かった

「濠炎欄刹!!!」

灼熱の炎が煉耶の刀を包みファリスに斬りかかる

「くっ」

ファリスは氷の盾を造り耐えようとする

「氷の野郎の情報忘れたのか?
オレの炎にそんなちゃっちな盾は効かね―よ!!!」

パリンッ
盾は真っ二つに割れファリスは倒れた


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