しろくろ
二章 †運命の日
「おい!!楓!!!」
「ひぁぁ!!?」
神の代理人黒式の立派な城のこれまた立派な部屋。神の代理人黒式棟梁の跡取り煉邪の部屋。そこに響く甲高い声。
「ど、どどどうしたの?!!煉ちゃん。」
「どうしたのじゃね―よ。さっきから言ってんだろ、明日のうっざいパーティーお前もちゃんと出席しろよ。」
煉邪はきらびやかな椅子に腰掛け鬱陶しそうに楓に命令する。楓は部屋の掃除をしながらも、きちんと煉邪の話に耳を傾ける。
「明日のパーティーって煉ちゃんの誕生日の!?そんなの私出られないよ!!」
「お前は俺の侍女なんだから出るのは当然だ。ってか命令だ。」
「私はあんな立派なパーティーに参加できるような服持ってないもん。」
「そこに準備させてる。」
楓は返す言葉もない。そもそも楓が俺に勝てる訳がない。
口をへの字に曲げてコッチを睨んでくるが、そんなの知ったこっちゃない。
明日は特別な日だから、こればっかりはこいつの意見は聞けないからな。