しろくろ
神の代理人の棟梁の跡取りは15になると、最低でも3年間は任務に着き、他の世界を見てこなければならない。
その際は、二人の腕のたつ護衛を付ける。

これが掟だ。

そして煉邪は明日15になる。明日のパーティーはその表明式と出発式を兼ねている。
その時に護衛の二人も発表される。


だが、煉邪は歴代最強との呼び声も高く、煉邪を護衛するほどの猛者はほぼいないに等しい。

故に誰が煉邪の護衛に選ばれるかで、城は浮き足だっている。



「はぁ……
煉ちゃんのバカぁ」

ポチャンっ
川が鳴らす音は自分の投げた石か涙か
川の真ん中で天を仰いで祈っても明日が来なくなることはない


明日で煉ちゃんと……


「誰が馬鹿だって?」

「ひああ!!!
………れ煉ちゃん!?」

煉邪はブーツを放り投げ、楓のいる川をジャブジャブと進む
だが楓は振り返らないで煉邪を見ようとしない

「明日のパーティーは早いからさっさと寝ないと寝坊すんぞ。」

「寝坊なんかしないもん。それより、こんな時間に何しにきたのよ」




「お前に大事な話があるんだ。」

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