Once again…
「ただいまー」
「おかえり、おかさん!」
夕方藤森に会いに行ったから、もう翔太は帰宅していた。
「ただいま。ごめんね遅くなって」
「そんなに遅くないよ。でも早くしないと、もうじきおじちゃんが来ちゃうよ?」
「そうね、急いで食事作らなくちゃね」
急いで着替えて、キッチンに立つ。
「ねえ、おかさん?」
「何?」
「…おじちゃん…おとさんになってくれる?」
「翔太?」
「僕…おじちゃんといつも一緒にいたいんだ…」
「…そっか。でもね、もう少し待ってくれる?あと何ヶ月かは、おかさん…お嫁にはいけないの」
「なんで? もうおとさん、いないんだよ?」
「うん、でもね、そうゆうお約束がね、偉い人としてあるの。だからもう少し待っててくれる? その間に、おじちゃんともよく話してみるからね」
「うん…」
「ごめんね」
インターフォンが鳴って、翔太が飛び出していく。
「おかえり、おじちゃん!」
「ただいま、翔太。綾子は? 帰ってるのか?」
「お帰りなさい。帰ってるわ」
「ああ、ただいま」
いつものようにジャケットとバッグを受け取り、リビングへ向かう。
「修平、車は?」
「パーキングに入れてきた」
「そう…ここにもう1台借りた方が経済的かしらね。空いてるみたいだし」
「そうなのか?」
「ええ、下に張り紙があったもの。明日にでも聞いてみるわ」
「…いいのか?」