Once again…


「何が?」
「俺がいつでもここに来れるようにって…事だぞ?」
「そうね」
「…綾子?」
「翔太がね、修平におとさんになって欲しいんですって」
「うん! 僕、おじちゃんにおとさんになって欲しい!」
 照れくさそうに翔太を見て、修平がうっすらと微笑む。
そして、まっすぐ私を見て問いかけてきた。
「お前は? 俺がいても…いいのか?」
「…いいんじゃないかと思うわ」
「…綾子…」
「まだね、6ヶ月経たないから…きちんとする事は出来ないわ。というよりも、すぐに入籍するのはいかにもって感じで嫌なの。だから…暫くは…」
「…一緒に暮らすことは?」
 修平と共に、翔太が期待をこめた視線を送ってくる。
「…いいわ…」
 妙に照れくさくて、それだけ言うとキッチンに逃げ込んだ。
「やったー!!」
 リビングから叫んでいる翔太の声が聞こえる。
「綾子…!」
 キッチンに飛び込んできた修平に、背後から抱きすくめられた。
そして耳元で【ありがとう…】と囁く声が聞こえた。
顎をつかまれて、修平のほうへ振り返る。
「愛してる…もう絶対に離さない」
 その声と同時に、振り返った私のそれに唇が重なった…。


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