チョコレート×ミント
春・first impression
紹介された時に、彼は取引先らしき相手と電話中だった。
就業前、派遣会社の営業担当が話してくれたことを思い出す。
「営業アシスタントとしてご勤務頂きたいと思います。中途採用で入ったばかりの営業の方について頂く可能性もございます。昨年、入社されたばかりの“ヒヨコ”のような方々ですので、リードして頂けるような方が望ましいです」
彼が“ヒヨコ”かな…
やや焦った様子で対応している彼と、またあいつか、といった様子で苦笑している周りの様子に、そんな第一印象を抱いた。
他のメンバーはみんな、歓迎モードで席を立ち、輪をつくる中、なかなか電話が終わらない彼がせめてもの気遣いか受話器を片手に立ち上がってこちらに目を向けているのが見えた。
“ヒヨコ”だと思っていた彼は、社歴は2年とそこそこ経験を積んでいて、年齢は1歳違いの27歳だと判明し、驚くことになるのはもう少し後になるー
ようやく彼の電話が終わった瞬間、グループの最年長メンバーが告げた。
「今日からアシスタントになった槇村さんです。槇村さん、簡単に自己紹介して。名前と…好きなものとか(笑)」
「槇村と申します。よろしくお願いいたします。関西出身で、ええと…お酒が好きです」
就業前、派遣会社の営業担当が話してくれたことを思い出す。
「営業アシスタントとしてご勤務頂きたいと思います。中途採用で入ったばかりの営業の方について頂く可能性もございます。昨年、入社されたばかりの“ヒヨコ”のような方々ですので、リードして頂けるような方が望ましいです」
彼が“ヒヨコ”かな…
やや焦った様子で対応している彼と、またあいつか、といった様子で苦笑している周りの様子に、そんな第一印象を抱いた。
他のメンバーはみんな、歓迎モードで席を立ち、輪をつくる中、なかなか電話が終わらない彼がせめてもの気遣いか受話器を片手に立ち上がってこちらに目を向けているのが見えた。
“ヒヨコ”だと思っていた彼は、社歴は2年とそこそこ経験を積んでいて、年齢は1歳違いの27歳だと判明し、驚くことになるのはもう少し後になるー
ようやく彼の電話が終わった瞬間、グループの最年長メンバーが告げた。
「今日からアシスタントになった槇村さんです。槇村さん、簡単に自己紹介して。名前と…好きなものとか(笑)」
「槇村と申します。よろしくお願いいたします。関西出身で、ええと…お酒が好きです」