あのこになりたい
「咲はいつも私を見下していたでしょ？一緒に勉強しても私とじゃ教えてばかりではかどらないから絶対勉強会は呼んでくれなかった。体育でペア組む時も絶対組んでくれなかったし…」

確かに思いあたる節はある…



「難しい話は綾にはわからないからとか言って入れてくれなかったし」


「ごめん…」



私はうつむいた。



「だいたい、咲は自分がどんなに恵まれてるかわかってないんだよ。うちの家庭がうらやましいとか甘やかされてるとか言ってたけど…咲の方がよっぽど恵まれてるし甘やかされてる」


私が…？


どこが甘やかされてるの？

「何も知らないくせにそんなこと言わないで！」


私は感情的になって叫んだ。



「何も知らないのは咲の方だよ！私だって…行きたい高校あったんだもん。そのためにずっと苦手な勉強だって頑張って来たんだよ」

初めて聞いた。


「どこ…？」


「Y高…」


テニスが強いところだ。



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