あのこになりたい
井戸端会議をしている主婦と並んでするような話でもないので、私達はやや緑が多過ぎるひっそりとした小さな公園に入った。



兄はきっと誰にも会いたがらないだろう。


「いきなり行っても岡田も困るだろうし…」


「そうだね…」



私達は話し合って、それとなく兄に話してから彼と会わせることにした。


そのために連絡先を交換した。


「なんて呼べばいいのかな…」


私は3コも年上の彼を呼び捨てにするわけにもいかずそんなことを質問した。


「俊二でいいよ。みんなそう呼ぶし」


「みんなが呼ぶならその呼び方以外にしよっかな…」


私はなぜかこんなことを口走った。


「え…」


彼は私を見た。


「じゃあ好きなように呼んで」


そう言って笑った。


「じゃあ…シュン」


「…はい」


彼が返事したからなんだか変にときめいて照れ隠しで笑った。


彼も笑っていた。



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