あのこになりたい
どちらも私の心。


人間てなんだか薄情な生き物だなと思った。



「はい」


シュンの声だ。



「もしもし…」


私がシュンに何て言おうと戸惑った瞬間。



「やっぱりダメだったかぁ…」


シュンは明るい声で言った。



「やっぱり無理だよな…何年も連絡取ってないのに。そう簡単にはいかないよな」


シュンが言ってくれたのでなんだかホッとした。



「うん…ごめんね」


私は少し申し訳なさそうに言うと、


「いや、いいんだよ。これでいいんだ」


予想外な言葉が返ってきた。


「え…?」


「昨日まではたぶん俺のこと思い出したりしなかっただろうけど。今頃俺のこと考えてるだろうから」


シュンは楽しそうに言った。



「お兄ちゃんのファンかなんか…?」


やっぱりこの人、変…


私は不気味そうに聞いた。


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