あのこになりたい
何言ってるの…?


シュンのこと…そんなひどい言い方…



「本当恐ろしいわ。あんな堂々と嘘ついたり咲とこそこそ隠れて会ったり。今日だって本当に綾ちゃんと会ってたの?あなたまた嘘ついてるんじゃ…」


シュンは私のために嘘ついたんだよ。


どうしていつも否定ばっかり…


疑ってばっかり…


どうして?


私は体が震えた。



「そんなに私を信用できないの?」


私は心の中から溢れ出る怒りをとうとう吐き出してしまった。



「シュンは何も悪くない。シュンほど心の温かい人はいない。嘘は私を守るためだよ…。確かに複雑な家庭かもしれない。でも、シュンはたくさんの苦しみや寂しさを乗り越えてきたの!だから…人の痛みがわかるんだよ」


私は深呼吸した。


「シュンは1度もお母さんを悪く言ったことなんてなかったよ。どんなに感じ悪くされても…」


お母さんは口ごたえする私に近寄った。



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