あのこになりたい
シュンの家はやっぱりきれいに片付いていて、サッカーボールは相変わらず埃をかぶっていた。



「シュン…前の彼女とはなんで別れたの?」


私の突然の発言にシュンはむせた。



「なんで…急に…ゴホッ」

「いや…なんか気になって」



私はアイスクリームをパクッと口に入れた。



「まぁ…あれだ。嫉妬だな」


シュンの言ってることがイマイチわからない。



「何…嫉妬って」


私が聞き返すと、シュンは話し始めた。



「高校1年の終わりに付き合い始めたんだけど。2年の時に岡田の事件があっただろ…。それで若菜が相談に来るようになって。若菜も落ち込んじゃっててさ。岡田のことも気になるし。まぁ…彼女にとってはやっぱり不安だったんだろうな」


シュンは寂しそうな表情をした。



「好きだったの…?」


私は当たり前過ぎることを聞いてしまったのだろうか。



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