あのこになりたい
「そりゃあね…好きで付き合ってたんだから?」


シュンは開き直ったかのように答えた。



「そうだよね…」


私はシュンが急に大人に見えてしまった。



「シュンは別れたくないって言わなかったの?」


「言ったけどね。あの娘と私どっちが大事なの?とか…もう会わないでとか」


シュンはため息をついた。


「最後はもう一緒にいても彼女は泣いてばっかりで…こいつのこと思うなら別れるべきだと思ったんだ」


シュンはテーブルを見つめながら言った。



「それってでも、結局お兄ちゃんや若菜さんの方が大事だったってことだよね…。それとも…若菜さんを放っておけなかったから…?」


シュンは私の言葉に驚いた顔をした。



「どうしたの?」


私が固まってるシュンに聞くと、


「あの時は…もしかすると若菜を放っておけなかったのかもな」



そう呟いた。



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