君とは違う私の世界。
からになったマグカップを 近くのテーブルに置き 立ち上がろうとした……
「……ん?」
のだが なぜだか体が酷く重い。
「……んんんー…!!!」
やっとの思いでソファーから離れるも 一歩進んだだけでひょろりと崩れた。
「…なによ…これ……。」
初めての感覚に動揺する。
「手を貸す。 さぁ こっちに。」
また優しく差し出される手。
だけど 素直になんか掴めなかった。
「どうしてなの? 何が起きているのか説明して!!」
「…わかる気持ちは。だが焦るな。今からゆっくり説明するさ。…さぁ こっちに。」
またムッとしながらも 彼の手をぎゅっと掴んだ。
すると彼は すっと真顔に戻り 何かを唱え始めた。
「禁じられし力 解。」
そして放たれる光。
温かな 見覚えのある光だった。
「立て。」
言われて力を入れると 驚くほど軽く体が動いた。