君とは違う私の世界。




「…ぅわあ さっきの体が嘘みたい…。」


「…君はここの者じゃないからな。仕方がないさ。」


「……ぇ…?」


何も無かったかのような顔で歩き出す彼をぐいっと引っ張る。


「…ねぇ 誤魔化してるつもりなの?」


だけどやっぱり聞く耳なんて持たずに ベッドに横たわるおじいさんの元へ私を連れて行った。


「こちら ロジェルタ・バーニャ。」


「…私の話はどこにいったのよ!!」


掴まれていた手を振り払った。


「ここまで連れてきてくれてどうもありがとう。 だけど あなたは私に何をしてくれるの!? 頼れるのはあなただけなのに あなたは頼らせてくれないじゃない!! 私の話はどこにいったのよ!! …教えて 何が起きているのか。」


空気が一気にピリッと凍りついた。


私の上がった息づかい以外は 何も聞こえてこなかった。


「……君は叫ぶのが好きみたいだな。」


嘲笑うかのように私を見下ろす。


「……何よ それ。」


「話をしよう。 座れ。」


頭に上った血がさらさらと流れていく。


叫んで伝えようとした私がバカだった。


_____ガタ。


私の後ろに椅子がおかれた。


座れってことよね。




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