君とは違う私の世界。
「…じゃあ100年経ったら?」
「あぁ もちろん星になる。だがな 100年ここにいるものはそういない。みんな 目的を果たしてしまえばここを去る。」
ロアンが席をたった。
さっきマグカップを片付けに行った小部屋から ドアを開けたまま私に話を続けた。
「目的は様々だ。例えば愛した人にもう一度会いたいだとか、伝えたいことがあるだとか、在り来たりなものがほとんどだ。」
_____カラン カラン
腕捲りしたシャツから見える白い腕は 力強く頼りがいのありそうだった。
「父が死んだの、2年前に。私の誕生日にバースデーケーキを買いに行って 事件に巻き込まれたの。」
近くのテーブルに私を手招きした。
テーブルには ピンクのドリンクとカランカランなる氷が入ったグラスと 可愛らしいケーキが置かれていた。
テーブルに置かれていたのは2人分。
ロジェルタの分は ロアンがベッドのサイドテーブルに持っていった。
食器に手が降れる度 カタカタと音がなる。
「早く座れ。」
先にテーブルについたロアンが私を不思議そうに見る。
固くて白い手。
というより ここにいるという事実がもうそれを肯定している。