君とは違う私の世界。
「えっ……。」
うそ こんな真っ白でキレイな街が今の暗闇に包まれた真っ暗な街?
「僕がここに来たときは素晴らしく美しかった。だが つい最近のコトだ。」
ロアンがテーブルの席に招くので 私もロアンの瞳がよく見える向かいの席に座った。
氷がグラスの中で カランと音をたてた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その日僕は ロジェルタとくだらない話をしていた。
「それで 僕は言ってやった。"いいかジェイトム 君のその自慢話のせいで僕は100年の内の3時間を無駄にした。何かお返しはくれるのか?"って。そしたらジェイトムは真っ赤な顔でだっさい捨て台詞を残して走っていったさ。」
「ちょっと言い過ぎなんじゃないかね。」
「みんなそう言う。」
黒いくせに甘ったるいドリンクを飲み干すと ガンガンと誰かが戸をたたいた。
「誰じゃ?」
眉間にしわを寄せながらロジェルタが言う。
「番号0567、いきなりドアキーパー様が唸り声をお上げになりまして 何事かと思い駆けつけましたら 何者かが強行突破されたとの連絡が入り それと同時にドアキーパー様がお気を失われました!現在我々で街の者に連絡を回しております!生きている者ではないのですが 最近殺人にあわれた死者様が多くゲートを通過されていることから 恐らく残虐な殺人犯かと。」
それは急に起きたことだったから 僕は話についていけなかった。
「緊急事態じゃの。その者をまず捕えよ。ここへ連れてこい。」
「はっ!かしこまりました!」
ロジェルタは怯えた顔をしていた。