君とは違う私の世界。
表紙をゆっくりと開いた。
それだけでも パラパラと欠片が落ちる。
だが それだけではすまなかったのだ。
_____パラパラ パラ バサッ!!
「………っ!」
ただ 表紙をめくっただけだった。
なのに 本はバラバラに崩れてしまったのだ。
「…っ!! どうしよう 少し触っただけなのに…」
窓が少し空いていた。
_____ブワーッ
「きゃっ……」
急に入ってきた風に バラバラになった本は舞い上がり その欠片が部屋中に広がった。
クローゼットを開けたままにしていたことを後悔したが もう遅かった。
ベッドの下や カーペットの裏 部屋の隅々にまで 欠片は散らばっていて 片付けのことを考えると シェリアは頭を抱えた。
「……どうしてこんなことに?」
全てが自分の思考が回る前に起きてしまうことに シェリアは苛立ちを感じていた。
だが その時間すら与えまいと 事は更に 前へと進んでいく。
部屋中に広がった欠片が サワサワと動きだし 淡く温かな光を放つ。
全ての始まりだった。