クローバーの証
突然後ろから衝撃があった。俺はよろけたが転ぶ事なくそのまま振り返った。そこには幼稚園くらいのピンクのワンピースを着た少女が尻餅をついていた。
「大丈夫かい？」
「ごめんなさい」
「気をつけて。」
「はぁ～い」
少女はワンピースについた埃や砂をはたきながら立ち上がった。。何か落としたのか探しながらだった。
「あっ！あった！」
少女が探していたものは俺の足下に落ちていた。
「よかったぁ～。おにぃちゃん、これあげる」
少女はそういうと俺に何かを差し出した。俺は手を差し出すと１つの四つ葉のクローバーを置いた。
「さっき見つけたの！おにぃちゃんにもあげる！あと２つはパパとママのなの！」
少女は手に２つの四つ葉のクローバーが握られていた。
「みっちゃん。帰るわよ」
「はぁ～い。おにぃちゃんバイバイ」
少女は俺に手を振りながら母親に向かって走って行った。母親は俺に会釈をすると振り返り少女と手をつないで歩いて行った。残された俺は手の中の四つ葉のクローバーを見ていた。その時ふとある事を思い出した。徐に名刺入れを出すと中から小さなペンダントを出した。俺はすっかり忘れていた。
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表紙・目次

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