クローバーの証

２
「もしもし？」
『もしもし…佐江？』
「もしかして明人？」
『そう俺！明人！神崎明人！』
「マジ？！久しぶり！」
『うん！久しぶりだな！』
私は久しぶりに笑っていた。私は離婚してから荒れていた。２０歳の頃３歳年上で会社の先輩だった人と結婚した。始めは幸せだった。だがその幸せも長くなかった。私も彼も若かった。２５歳の頃、彼の女遊びがもとで大喧嘩をし、勢いで離婚してしまった。その時本当に思った。後悔先に立たずと。
『離婚したって聞いたけど？』
「あぁそうなのよ！でももう３年よ。吹っ切れたわ」
嘘だった。吹っ切れたなんてよく言えたと思う。
「あいつの浮気が原因だから慰謝料もらったしね」
『佐江、強くなったな』
「当たり前でしょ！」
こんなに強気で話をできたのも高校時代の仲間だからだろう。
『クローバー持ってる？』
「あるわよ。無くすわけないじゃない」
『また今度集まらないか？』
「いいね！集まろ！」
『じゃぁ日にちと時間はあとで連絡するとして場所は先輩の店でいい？』
「O.K.」
『じゃぁ他の奴にも連絡するから。んじゃ！』
「まっとるぜ～」
そういうと私は携帯電話を切った。しばらくの間その携帯電話を見ていた。