烏鎮(うーちん) 上海水郷物語2
「可愛いね、娘さんかい?」
と言った。静江は遊覧券の裏に大きく、
『王美麗』
と書いた。おばあさんは笑みながら文字を見つめ、
そのままうなづいて奥の部屋を指差した。
『まさか?』
ゆっくりと静江は奥の部屋に入った。台所で中年
のおばさんが炊事をしている。静江に気付いて、
「なに?ちょっとまってね」
とおばさんは言って、手を拭きながらこちらに出
てくる。間違いない王美麗さんだ。
静江の眼からどっと涙があふれてきた。声にならない。
「どうしたの娘さん?日本人?」
うなづきながら静江はロケットを手渡した。
美麗さんはじっと中の写真を見る。顔を近づけて
じっと見つめる。静江は遊覧券の裏に書いた
王美麗の字を指で示した。
今度は美麗さんの瞳が潤んできた。外に出て、
姉さん来てと叫んで二人で写真をのぞき込んだ。
と言った。静江は遊覧券の裏に大きく、
『王美麗』
と書いた。おばあさんは笑みながら文字を見つめ、
そのままうなづいて奥の部屋を指差した。
『まさか?』
ゆっくりと静江は奥の部屋に入った。台所で中年
のおばさんが炊事をしている。静江に気付いて、
「なに?ちょっとまってね」
とおばさんは言って、手を拭きながらこちらに出
てくる。間違いない王美麗さんだ。
静江の眼からどっと涙があふれてきた。声にならない。
「どうしたの娘さん?日本人?」
うなづきながら静江はロケットを手渡した。
美麗さんはじっと中の写真を見る。顔を近づけて
じっと見つめる。静江は遊覧券の裏に書いた
王美麗の字を指で示した。
今度は美麗さんの瞳が潤んできた。外に出て、
姉さん来てと叫んで二人で写真をのぞき込んだ。