烏鎮(うーちん) 上海水郷物語2
孔明はゆっくりと歩きながら語り続ける。
「でも愛があれば。信頼があれば。誠の愛があれば。
・・・・・・・・・・・こうして二人は又会える」

双橋の南詰めで孔明は両手で静江の手を取った。
「あ、ごめんなさい」
なるほど、そういう意味があったのか。

逢源双橋。沈む夕陽に見とれながら
静江は一人で感心していた。

「綺麗な夕陽でしょう。世界一です」
「世界一。・・・・孔明さん、ご結婚は?」
「私はまだ結婚していません」

そう言って孔明は公園と舟泊りの2つの橋を渡る。
静江が滑りかけて孔明が又静江の手を掴んだ。

「来年アメリカに行きます。二年前に私がその希望を
話した時、私の付き合っていた人は私の前から去って
行きました。それきりです。私は去年、
アメリカでの就職を確定しました」
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