烏鎮(うーちん) 上海水郷物語2
そうです、そうですと言いながら孔明は先を行く。
土産品店で藍染の帽子を手にしながら、

「来年の春、最終の企業研修で東京に行きます。
一日だけ休みがありますので、京都に行こうと
思いますが。嵐山を案内してもらえませんか?」

「ほんとですか?」
「ほんとです。詳しい日程は年明けてから、
1月中にお知らせします」

「是非お越しください。母と一緒に喜んで
御案内させていただきます」

「ありがとうございます。今回は母もおばさんも
ほんとに驚いて喜び感謝していました。孫の僕
からも、孫のあなたに心からお礼を言います。
本当にありがとうございました」

孔明は深々と頭を下げた。
「そんなに頭を下げないでください。ほら、
皆が見て笑ってるじゃない」

孔明は頭を上げて笑った。
静江もつられて笑った。
< 20 / 32 >

この作品をシェア

pagetop