烏鎮(うーちん) 上海水郷物語2

八条口

静江は旅館でなかなか眠れなかった。
『全てのことに意味がある』
『一度しかない人生』

孔明の笑顔と逢源双橋が写し重なる。
この言葉が何度も静江の耳元に響いた。

年が明けて1月下旬に、静江のところに
航空便が届いた。4月12日午前11時
京都着。午後5時帰京。わずか6時間の

京都見物だ。母の協力を得て移動はすべて
母の運転する車。誠に申し訳なく思いながら、
「いえいえこちらこそ」と母も興味津々。

美貌の青年となると母娘とも心は浮ついてくる。
時はまさに桜花爛漫、桜吹雪の嵐山。
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