短編小説集
June Bride
6月10日晴れ。
湿度はそれほど高くなく、気温は例年並み。
今日、私は結婚する。
大好きな人と――。
けれど、どうしてだか実感が湧かない。
半年かけて準備をしてきて、苦手なパソコンを使ってペーパーアイテムも全部手作りしたのに。
当日になっても、まったく“当日”を感じられない。
家族から、友達から、周りにいるみんなから「おめでとう」って声をかけられても、それはどこかふわふわと私の周りを漂ってるように思える。
(本当に? 嘘じゃない?? 私、結婚するの? 苗字が変わるの? 今日から彼と一緒に暮らし始めるの?)
胸の中で何度も、鏡の前で何度も――何度も何度も自分自身に問いかけたけど、こうやって写真を撮られている今ですら実感が湧いてこない。
プロの人にメイクしてもらって、髪の毛だってきれいにスタイリングしてもらって、念願のウエディングドレスを着てるのに。
(これは現実なの?)
湿度はそれほど高くなく、気温は例年並み。
今日、私は結婚する。
大好きな人と――。
けれど、どうしてだか実感が湧かない。
半年かけて準備をしてきて、苦手なパソコンを使ってペーパーアイテムも全部手作りしたのに。
当日になっても、まったく“当日”を感じられない。
家族から、友達から、周りにいるみんなから「おめでとう」って声をかけられても、それはどこかふわふわと私の周りを漂ってるように思える。
(本当に? 嘘じゃない?? 私、結婚するの? 苗字が変わるの? 今日から彼と一緒に暮らし始めるの?)
胸の中で何度も、鏡の前で何度も――何度も何度も自分自身に問いかけたけど、こうやって写真を撮られている今ですら実感が湧いてこない。
プロの人にメイクしてもらって、髪の毛だってきれいにスタイリングしてもらって、念願のウエディングドレスを着てるのに。
(これは現実なの?)