短編小説集
「ちょっと! 真面目にやってんの!?」
「え? あぁ、適当に?」
俺は射的が苦手で、当てて商品を持ち帰ったためしがない。
「ちょと私に貸してよっ!」
言われて織姫にライフルを渡す。
織姫が打ったコルク弾は、俺よりも的外れな場所を通過し落下した。
「お前よりは俺のほうがまだマシだと思う」
「あれっ! あのピンクのキーホルダーが欲しいのっ!!」
「大体にしてさ、俺が射的苦手なの知ってるじゃん。なのに、何であんな小さい的を要求するんだよ……」
これも毎年のこと。
俺が苦手なのを知っていつつも、こいつは絶対に当たりそうのない小さな物を欲しがる。最近はわかっててやってる新手の嫌がらせなんじゃないかと思い始めているわけだが……。
「ラスト一発。これが当たらなかったら終わりだから」
「えーっ!? そこは取れるまで頑張るとか言うところじゃないのっ!?」
「何で……」
この横暴さ加減が織姫だ。
むしろ、“横暴さ加減”折り紙つきと言ってもいい。
「え? あぁ、適当に?」
俺は射的が苦手で、当てて商品を持ち帰ったためしがない。
「ちょと私に貸してよっ!」
言われて織姫にライフルを渡す。
織姫が打ったコルク弾は、俺よりも的外れな場所を通過し落下した。
「お前よりは俺のほうがまだマシだと思う」
「あれっ! あのピンクのキーホルダーが欲しいのっ!!」
「大体にしてさ、俺が射的苦手なの知ってるじゃん。なのに、何であんな小さい的を要求するんだよ……」
これも毎年のこと。
俺が苦手なのを知っていつつも、こいつは絶対に当たりそうのない小さな物を欲しがる。最近はわかっててやってる新手の嫌がらせなんじゃないかと思い始めているわけだが……。
「ラスト一発。これが当たらなかったら終わりだから」
「えーっ!? そこは取れるまで頑張るとか言うところじゃないのっ!?」
「何で……」
この横暴さ加減が織姫だ。
むしろ、“横暴さ加減”折り紙つきと言ってもいい。