短編小説集
「何で黙ってるの? 私困るじゃん」
(困ってるのは俺だ、ナスっ!!)
俺は言いたい言葉を必死に抑える。
「ねぇー?」と、顔を覗き込んでくる織姫をを軽くはたくと、
「せーちゃんの暴力人間っ」
と、これまたひどい言われよう。
(誰か、俺の心中察してくれませんかね……?)
すると――。
「こんな暴力人間で、いやみばっかり言う人、私しか好きにならないんだからねっ?」
――思考停止。
いや、ちょっと待て……思考停止してる場合じゃないっ!?
全力で動け働け、俺の頭っ!!
「今、何て言ったっ!?」
「せーちゃん……性格と行動に加えて耳も悪くなったの?」
「どうでもいいから、さっき何て――」
「だからっっっ! いい加減気付いてよ、このあんぽんたんっ」
「おい……あんぽんたんはないだろう、あんぽんたんは――」
「うっさいっっっ。私が好きなのはっ、くずりゅーほしひこっ。毎年七夕祭りに誘ってるんだから気付いてよっ」
真っ赤な顔で、しかも大声で言われた。
(困ってるのは俺だ、ナスっ!!)
俺は言いたい言葉を必死に抑える。
「ねぇー?」と、顔を覗き込んでくる織姫をを軽くはたくと、
「せーちゃんの暴力人間っ」
と、これまたひどい言われよう。
(誰か、俺の心中察してくれませんかね……?)
すると――。
「こんな暴力人間で、いやみばっかり言う人、私しか好きにならないんだからねっ?」
――思考停止。
いや、ちょっと待て……思考停止してる場合じゃないっ!?
全力で動け働け、俺の頭っ!!
「今、何て言ったっ!?」
「せーちゃん……性格と行動に加えて耳も悪くなったの?」
「どうでもいいから、さっき何て――」
「だからっっっ! いい加減気付いてよ、このあんぽんたんっ」
「おい……あんぽんたんはないだろう、あんぽんたんは――」
「うっさいっっっ。私が好きなのはっ、くずりゅーほしひこっ。毎年七夕祭りに誘ってるんだから気付いてよっ」
真っ赤な顔で、しかも大声で言われた。