ぼくはここにいます


「でもまぁ、これで作戦はうまくいったはずよ」


にやりと笑い、卵焼きを頬張る美少女。


そう、相沢が僕と付きあったのは彼女の作戦なのであった。


彼女は美人すぎるゆえ、誰からも告白されなかったらしい。


高嶺の花である相沢に告白するなど、みんな恐れ多いと思っているのだろう。


そこで僕に目をつけたわけだ。


クラスの虫ケラである僕と相沢が付きあえば、みんなは思うだろう。


相沢さんは'あのレベル'とでも付きあうのか、と。


「いつか罰があたればいい」


いつの間にか、僕の口から本音が飛びだしていた。


「私と付きあえるなんて光栄でしょ?」


こんな悪女に告白するやつが現れるのかと思うと、僕はゾッとする。


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