耳に残るは君の歌声
あとがき
【あとがき】
私がこの物語を書いたのは、祖母から聞いた戦時中の話がきっかけとなっています。
祖母は事あるごとに、戦争が起こらなければ、戦争さえ無ければ、と悲しそうに言っていました。
戦争なんて起こしても、誰も幸せにはならないんですね。
けれど、誰かを想う心は、いつの時代も変わる事はないのです。
風化させてはいけない歴史は、時が経つにつれ、その生々しい当時の情景を語ってくれる語り手を、徐々に失いつつあります。
これは仕方の無い事です。
しかし、このまま「そんなこともあった」と言って過去の産物にしてしまうのは、私は違うと思うのです。
きちんと知って、少しなりとも理解をして、次の世代に引き継いでいかなくてはならないと思います。
そんな気持ちで書いたのが、このお話です。
私のつたない文章で、安っぽい話になってしまったかもしれません。
けれど、こんな私の想いを、少しでもご理解頂ければ幸いです。
ここまで目を通して頂き、本当に有り難うございました。