大好きっ![短編]
「おじゃましまーす!
…わー!久しぶりに来たけどやっぱりりっちゃん家は綺麗ですね〜!!」


「あんたが唐突に訪ねて来るから気が抜けないんだよっ!で、今日は何なの?狭山先輩とけんかでもしたの?」


「違うよりっちゃん!そんな不吉なこと言わないで!?むしろラブラブになるために来たんだよ」


「どゆこと?」


「だからね〜……」


―――――――――――――――


「…うん、バレンタインにチョコ渡すのは分かった。その報告しに来たの?」


「まあそれもあるけどぉ〜。
ちょっとお願いがあって…」


「ま・さ・か、
『一緒にチョコ作ろ〜』とか
『作り方教えてぇ〜』とか
言わないよね?」


「おぉ〜!すごーいりっちゃん!」


「やだよっ!やだからね!玲があげるんだから玲が頑張りなよっ!」


「そりゃあ私が作るよっ!でも作り方とか、どんなのが良いかとか、味見とか……ね?」


「味見って!!こわいわ!!犠牲にはなりたくない…!」


「快諾してくれてありがとう…」


「人の話を聞け!」


「それでね、りっちゃん…」

「なに〜!?頼み事は嫌だよ!?」


「違うよ〜!
あのね…私っ…これを最後にしようと思うの」


「何を?頼み事?」


「ううん…。冬哉先輩への気持ちを…ね?」


「え…。それ、マジで言ってんの?」


「うん……。」


「なんでまた急に…。やっぱり今日なんかあったの?」


「違うの!結構前から考えてた…。私が最初に告白してから、10ヵ月位経つけど…。
りっちゃんもよく知ってるように、進展ゼロでしょ?
それに…このままずっとだらだらしてても、いけないと思うんだ。」


「うん………」


「もし、先輩に好きな人がいるとしたら、出来たとしたら、私は邪魔したくない。
その恋がうまくいくように願いたいの。」
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